理事長所信

はじめに

今から遡ること70年前、第二次世界大戦後間もない1949年に「新日本の再建は我々青年の仕事である」という熱い志を胸に、若き青年たちの行動のもと、日本で最初の青年会議所である東京青年会議所が設立されました。その志が日本各地に伝播し、この雪国の地にも1981年、「雪国のふるさとに熱き創造の息吹と高き理想の光を!!」という理念を掲げ、雪国青年会議所が設立されました。この精神のもと、受け継がれてきた伝統と歴史に敬意を持ち、先輩諸氏が紡いでこられた想いを継承し、その想いをさらに深化させ、次世代へと引き継いでいかなければなりません。
30年続いた平成という一つの時代が終わりを迎え、新たな時代の幕が開けます。この変わりゆく時代の中で10年後、20年後、果たしてこの地域はどうなっているのでしょうか。今日の日本では、少子化と高齢化による人口減少や東京への一極集中による地方の過疎化などが問題視されており、それはこの地域も例外ではありません。日本創成会議が2014年に発表した「消滅可能性都市」の中には、この地域の自治体も含まれており、2040年には、南魚沼市は約4万6千人、湯沢町は約5千人にまで人口が減少するという推計結果も出ています。人口減少問題は、社会全般に関わることから、産官学の連携による総合的な取り組みが不可欠であります。そのなかで、青年会議所だからこそできることを考えていかなければなりません。この地域で活動する我々だからこそできること、それはこのまちの未来を見据え、夢や希望の溢れるまちを創る運動に挑戦し、このまちに活力を生み出すことではないでしょうか。先人たちから受け継いできた伝統や文化のもと、この地域を支える住人の一人として、真剣に考え、故郷ふるさとの未来へと繋がる運動を展開する必要があります。

故郷ふるさとの魅力

私たちの住み暮らすこの雪国・南魚沼は、八海山や谷川岳などの雄大な山々に囲まれ、清らかな魚野川が流れ、四季折々に表情を変える自然豊かな地域です。特に冬季は世界でも有数の降雪地帯であり、この雪を活かし、スキー産業が盛んな地域でもあります。しかし、スキー関連の観光客数はバブル期を境に減少の一途をたどっています。近年は若干の回復傾向にありますが、それでもバブル期のおよそ3分の1となっています。ただ、スキー産業も含め、雪はこの地域で一番の地域資源であることに変わりありません。そして、この地域には雪以外にも全国に誇れる資源が数多く存在しています。その魅力を広く発信していかなければなりません。まずは、このまちの魅力と抱える課題や問題点を調査し認識した上で、何が「良いまち」なのかを追求し、この故郷ふるさとの魅力を最大限に活用することが必要です。そして、地域内外の方々に新たな魅力を知っていただき、意識変革を促すことで地域の活性化に繋げます。この雪国・南魚沼が「魅力あふれる故郷ふるさと」であるために、創意工夫を持って発信をしていきます。

誇りを持てる故郷ふるさと

今後の人口減少が進む社会で、最も重要になるのが労働力の中核を担う世代である若者や青年の存在です。この地域では、高校を卒業後進学して、卒業した後に帰郷する若者の割合は約1割という調査結果が出ています。多くの若者たちが地域外へ流出し、出生率も伸び悩む中、このままでは過疎化は進む一方です。そして、この地域は早くから関越自動車道や上越新幹線などの交通網の整備が進み首都圏への交通アクセスが良好なために、ストロー現象によって人口が流出しやすいという側面も持ち合わせています。彼らにこのまちに残る、または戻ってくるという選択をしてもらうことが必要であり、そのためには、もっと故郷ふるさとの魅力を知り、現状を理解し、故郷ふるさとの将来を真剣に考える機会が重要になります。そういった経験を積み重ねることで、自身がこのまちの一員であることを強く意識するようになり、故郷ふるさとに対する愛着と誇りを持てるようになるのではないでしょうか。恵まれた地域資源や良好な交通インフラなど、この地域には多くの可能性があります。そして、現代ではインターネット環境の整備も進み、日本全国どこに居ても出来るという仕事も増えてきています。「自分が最も輝ける場所は故郷ふるさとである」と誇りと自信を持つことのできる運動を行ってまいります。

子供たちの未来

いつの時代でも、子供たちは地域の未来を担う無限の可能性を秘めた存在であり、頼もしい大人へと成長できるように導いていかなければなりません。そのためには、家庭や学校だけでなく地域社会全体で取り組んでいくことが重要であり、我々にもその責務があります。子供たちは多くの原体験をもとに成長し、経験することで自信を付け、自らの夢や目標を持ち、自主的かつ積極的に行動を起こしていきます。多様な人との関わり合いを通じて心を養い、夢や希望を持つことができるよう様々な機会を与え、夢を持つことの素晴らしさを伝え、その夢に向かって進む希望を見つけた子供たちを後押しすることが、想像力や行動力を養い、自発的に行動し未来を切り開ける人財へと成長していくことに繋がります。また、私たち大人も子供たちとしっかりと向き合い、共に考え悩み、共に汗を流して行動し成長していくことが重要です。

災害への備え

近年、日本各地で地震や豪雨などの様々な自然災害が数多く発生しています。災害はいつどこで起こるか分からず、それは過去に大きな地震などを経験しているこの地域でも例外ではありません。だからこそ、危機管理の重要性を理解し、いつ起こるか分からない災害に対して、行政や市民と連携を深め、備える必要があります。一昨年、社会福祉法人南魚沼市社会福祉協議会、社会福祉法人湯沢町社会福祉協議会と災害時相互協力協定を締結しました。ただ、その後の定期的な情報交換や交流がまだまだ不足していると考えます。日頃から連絡を取り合い、その情報を会員全員で共有することで、災害時の迅速な対応に備えてまいります。

魅力ある組織の構築

青年会議所は単年度制という特色を生かし、常にその時代を意識しながら運営を行い、事業を構築してきました。そこには、修練・奉仕・友情のJC三信条と、先輩諸氏より受け継がれてきたシステムやルールがありました。今一度、なぜこのようなシステムやルールが存在しているのかを理解し、時代の変化に合わせ、変えるべきことは変え、守るべきことはしっかりと守り、より良い活動を行っていくためにも、柔軟に対応していくことが重要になります。また、お互いを理解し認め合い、目的を共有することで、どんな困難であっても力を合わせ乗り越えることができるはずです。そのためにも、会員同士のコミュニケーションを図り、信頼関係を深め、より効果的な運動へと繋げてまいります。

JAYCEEの和

青年会議所は全世界130ヶ国で明るい豊かな社会を目指して運動を展開しており、日本では695の青年会議所があります。その上で、国際青年会議所、日本青年会議所、地区協議会、ブロック協議会という様々な出向先があります。出向は多くの同志と出会う機会でもあり、違うフィールドでの活動は新たな気付きを得ることができ、その後のLOMの発展にも繋がります。何よりも、出向することで得られた経験とそこで出会った仲間たちとの絆は、自身にとってかけがえのない財産となるはずです。その機会を活かし、多くの仲間と絆を深め、自己の成長へと繋げましょう。そして、出向する会員に対して、LOMとして最大限の支援をできるよう努めてまいります。また、友好JCである公益社団法人西入間青年会議所や同じ第5エリアで活動している一般社団法人魚沼青年会議所、公益社団法人十日町青年会議所と親睦を深め、絆をより強固なものにしていきます。出向と同様に、他の地域で活動を続けている同志との交流は、自らの地域の魅力について再考する機会でもあり、お互いを意識し切磋琢磨することが、より良い運動を展開することへ繋がります。

会員の拡大

青年会議所には卒業があり、40歳までという限られた時間の中で活動を行っています。在籍する会員はこの限りある貴重な時間を無駄にすることなく、運動を展開していかなければなりません。そして、会員が卒業を迎えていく中で、組織として運動を続けていくには新しい人財を迎え入れ続けることが必要であります。そのためには、入会候補者に青年会議所が何を目的に、どの様な運動を行っている団体であるのかを理解していただくだけではなく、会員になることで自身がどの様に成長することが出来るのかを説明できる必要があると考えます。このまちに必要とされる組織として、未来へ継承していくために会員拡大を行います。仲間が増えることが運動の原動力となり、運動を継続していくことが魅力的な組織へと繋がります。

結びに

我々は、これまでの先輩諸氏の功績に感謝しつつ、この伝統ある雪国青年会議所をどのように継承し、深化させていくかを考えていかなければなりません。先輩諸氏の志を受け継ぎつつ、青年会議所に求められる運動とは何かを考え、地域との繋がりを深め、会員が一丸となって挑戦していくことが重要です。変化を恐れず、柔軟に対応し、困難な局面に遭遇しようとも諦めず進み続けましょう。諦めてしまえば、そこで止まってしまいます。だからこそ、我々は挑戦し続けなければならないのです。「明るい豊かな社会の実現」に向けて。それが我々に与えられた責務なのです。

基本方針および重点目標

一、故郷の魅力を発信する事業の実施
一、郷土愛を醸成する事業の実施
一、青少年の夢や希望を育む事業の実施
一、災害に備えた地域との連携の強化
一、出向者に対しての支援体制の確立
一、第5エリア及び公益社団法人西入間青年会議所との交流及び連携の強化
一、組織力の向上
一、新規会員拡大10名以上