理事長所信2023年度

はじめに

 日本でJC運動が始まってから74年、この地に雪国青年会議所が誕生してから42年もの月日が流れ、社会の形、人々の考え方も大きく変化してきました。私自身のわずか9年の在籍期間でもその変化を感じ取れるほど、時代の流れは日々早まっています。
 人口減少、東京一極集中により地方の存続が危ぶまれながらも、技術の進化、SNSの発達によって発信力を持った多様な個人、団体による新たな地域活性化事業が次々と立ち上がるのを目にするようになりました。その状況をJAYCEEとして喜ばしく思う一方、青年会議所の在り方を今一度見つめ直す必要性を感じています。
 「JCしかない時代からJCもある時代へ」と言われて久しいですが、「JCだからこそできること」も必ずあります。その中でも重要なことの一つは、地域のために何かをしたい、しなければならないという想いを一人でも多くの人へ伝播し続けることです。その想いによってこそ地域への誇りが醸成され、より良い地域が形成されます。
 我々会員も、全員が最初から同じ想いを抱いて入会してきた訳ではありません。自己成長のため、仲間づくり、仕事上の付き合いで、様々な事情で集まった人間がJC活動を通じて地域を想い行動する人間へと羽ばたいていくこと、また活動の中で出会った人々にその想いを広げていくことこそが、雪国青年会議所の存在意義だと考えます。その意義を果たすためにも多くの人を巻き込み、誇れる組織を作り上げる必要があります。

当事者意識が誇りを醸成する-協働による地域活性化-

 地域の定住人口・交流人口の増加、地域経済の活性化、出生率、地方創生には様々な指標がありますが、最も大切なのは地域住民が幸福を感じられることだと考えます。金銭的・物質的な充足ではなく、他者と比べての良し悪しでもなく、不平をあまり持たずに自分自身が満足感をもって暮らせることが大切です。そのためには自分の住むまちの魅力を知り、自信を持って他者に伝えられる誇りを持つことが必要です。
 豊かな自然があっても、行政サービスをどれだけ向上させようとも、お客さんとしてそれを享受しているだけでは地域に対する誇りは醸成されません。問題を見つける度にまずは文句が先に出るようになってしまいます。地域の課題を自身の課題として捉え、少しでも良くしようと考え自らまちづくりに参画することで初めて、誇れる地域環境が構築されます。
 まちづくりと言っても、個々人ができることは小さいかもしれません。しかしながら、全住民が地域のことを想い、地域のために行動したらどうなるでしょうか。その行動の一歩となるきっかけを創り出すことで、誇れる地域を創造します。

会員のオーナーシップ-組織力強化-

 雪国青年会議所という組織を強固にする上でも、会員個々の当事者意識、即ちオーナーシップが必要不可欠です。青年会議所は単年度制であり、その年の役職によって負担も本人の意識も大きく変わってきます。毎年異なる役職につくことができ、挑戦の機会が多いという利点もありますが、役職によるモチベーションの変化が活動量に影響し、貴重な学びの機会を失してしまうことがあります。
 活動量が減じて他人任せの状況が続くと他責思考に陥ってしまい、組織の成長だけでなく自己の成長も妨げてしまいます。その状況を払拭するため、入会年数や役職にかかわらず会員ひとりひとりが責任を持ってJC活動を行うことのできる環境を構築することで、誇れる組織を創造します。

自分たちのために-会員拡大-

 雪国青年会議所の会員拡大が急務です。
 何のために拡大するのでしょうか。勿論、歴史ある雪国青年会議所を存続させ、アクティブシチズンを増やし、地域を活性化させるためです。しかしそれ以上に、今在籍する我々がより充実した活動を行い、学び、成長するために多くの会員が必要だと考えます。
 私は入会当初、たくさんの先輩方、同期に恵まれ、堅い絆と多くの気づきをいただきました。今いるメンバー、そしてこれから入会してくる方々のためにも、会員ひとりひとりが拡大を自分の糧となる自分事であると捉え、より多くの人財を獲得していくことが必要不可欠です。

結びに

 地域を想い、大切な人を想い、自らが動き続けることでしか矜持を手にすることはできません。先輩諸兄姉のようにJC活動を通じてそれを手にするほどに成長できた時、地域を牽引するリーダーが一人、また一人と誕生します。そのリーダーによってこそ、愛され誇れる地域が創られるのです。
 失敗を恐れず楽しみながら行動し続けることのできる組織を目指し、会員の成長、地域の発展のため1年間邁進してまいります。

 

基本方針および重点目標

一、 会員拡大10名必達
一、当事者意識の持てるまちづくり
一、 会員のオーナーシップ向上