理事長所信2024年度

はじめに

 雪国青年会議所は、日本初となる地域の固有名称を冠さない青年会議所として1981年に創立され、今年で43年目を迎えます。私が高校生まで過ごしたこの地域は合併後の南魚沼市ではなく旧六日町でした。冬は積雪約3mの白銀世界となり、高校までお世話になっていたクロスカントリースキーをはじめ、アルペンやジャンプ競技が活発で「スキー王国新潟」と呼ばれていました。そして春には雪が溶け、大地に恵みを与え、秋には特産物のお米を育てる素晴らしい地域です。40歳に満たない私でもこれまで多くの挑戦をしてきました。まずやってみる。考える前に挑戦し、挑戦しながらもっと考え、諦めない。間違いなくクロスカントリースキーから学んだことでした。その結果は全てが最善であったわけではありませんが、どんな結果であれ次に活かすべく前向きに捉えて歩んできました。
 現在の雪国青年会議所は、多様な職種の経営者、企業などの様々な立場のメンバーが活動をしていますが、経営者でもない私だからこそ見える視点や感じたことを元に、全力で今年度理事長職を全うすることで、今後も続く雪国青年会議所の可能性を広げ、先輩諸氏の想いを継承し襷を繋いでいきます。地域を明るく照らし、地域のために、地域とともに楽しんでいく姿を、多くの市民や次世代に見せながら挑戦し続けます。

楽しみ繋ぐ~ユーモアある人財に~

 私が青年会議所活動を続けられた一つの理由として、尊敬する先輩方の存在です。仕事でも活躍し、限られた時間の中で活動を両立する先輩方はいつも多くの仲間に囲まれ、魅力的な方ばかりでした。しかし今思えばそれらには裏打ちされた共通点があったように思えます。それはユーモアです。私が尊敬する先輩方は「会えて楽しい、話して楽しい、一緒にいるとなぜか笑いが生まれる」人たちばかりでした。笑顔にさせるというのは、その場の空気を作るということだと思います。空気が明るい場所には、いいアイデアや人のやる気などのプラスの要因が生じます。私もその中の一人であり、そんなユーモアある人財にメンバーとなりたいと考えています。例会や事業を通して、私たちの笑顔を伝播させ、地域の人々を笑顔にすることにより明るい社会の実現へ近づくと確信しています。雪国青年会議所にもっとユーモアを。

新たな可能性~未来への挑戦~

 青年会議所には出向という機会があります。新潟ブロック協議会や北陸信越地区協議会、日本青年会議所、そして国際青年会議所まで、各地に出向をする機会があります。この出向の機会を積極的に活用することが地域の発展に必要だと考えます。さらに年間を通して様々なファンクションも多数あります。消極的な姿勢や受け身の姿勢では素晴らしい仲間、素晴らしいアイデアを得ることは出来ません。新潟県内から全国各地の同志と積極的に出会い、多くの経験や学びを得たメンバーが成長し、その知識や経験を組織に還元することで、組織全体の成長にも繋がっていきます。地域や組織の新たな可能性へ挑戦しよう。

継続事業の取り組み~挑戦が地域をかえる~

 私たちは今までに地域にインパクトを与える数多くの事業を実施し、その運動理念に共感をした団体に事業を引き継がせていただきました。現在、雪国青年会議所で継続して行っている事業はありません。継続性があり、シンプルで分かりやすく、地域にインパクトを与える事業を行うことができれば、それが雪国青年会議所のブランディングに繋がり、まだ見ぬ入会対象者に対して、私たちの活動内容をわかりやすく説明することができます。過去に先輩諸氏が何のために、どのような想いで計画してきたかを振り返り、歴史を知り、今の自分たちの想いを乗せて事業構築することが求められています。継続事業だから行うのではなく、私たちの地域に対する想いや地域のもつ魅力を広く伝播する絶好の機会と認識し事業を構築しなければなりません。次世代に続く地域のシンボルとして誇りを持てる継続事業を創り上げよう。

青少年の育成~子ども達の笑顔のために~

 成功体験、失敗体験、感動体験、原体験。子どもの持つ、無限の可能性を花開かせるためには多くの体験が必要です。子どもたちが、将来自ら課題解決していくために、必要な力と心を養う機会を、私たちが創出します。一つの事業で、一回の事業で地域の課題を解決することはできませんが、可能性は無限大です。急速に進むあらゆる物のデジタル化・決済のキャッシュレス化によって便利になる一方で普段生活していることが決して当たり前ではなく、多くの人の支えの上で成り立っているということを理解してもらい、自分を取り巻く人と人とのつながりの大切さを伝えることで、恩を感じる心、そして他者に対しても分け与える心を持つ青少年の育成に取り組みます。失敗を恐れず、挑戦した体験は子どもたちの明るい未来を創ると私は確信しています。子どもたちの未来のために、私たちも挑戦しよう。

続く会員拡大~多様な人財と共に~

 「会員拡大」と毎年のように叫ばれ、どこか聞き慣れてしまった現状に危機感を感じています。会員減少が続けば修練・奉仕・友情の三信条のうち、「修練」だけが一人に集中してしまい、楽しむことを忘れさせています。楽しくない組織に入会したいと思う人はいませんし、継続することもできません。ただ、「楽しむ」と言っても、そもそも「楽しむ」とはどういうことなのか。同じ目標に向かって進むメンバーと共に活動し、困難や苦しいことを乗り越えることで本当に「楽しむ」という実感を得られるのだと確信しております。修練と友情によって楽しむ実感を得られ、他人に奉仕する余裕が得られます。新たな仲間を増やし、成長の機会を通じてより良い人財を育成し、明るい豊かな社会へと繋げていくことが目的で、会員拡大はJC運動の根源です。一人ひとりが主体性を持って全メンバーで会員拡大に取り組み45周年を多くのメンバーで迎えよう。

結びに

 私は経営者の家庭で育っていません。2018年に会社の当時の専務より経営者が多い団体という声掛けを頂き入会させていただきました。ここで何かを学びたい、自分だけでなく会社も成長できるかもしれないという期待がありました。この組織に属しているということは何かしらを得るために入会しているはずです。それは会社を守る、子どもの未来を守る、自分の成長、地域の発展、一生涯の仲間、その理由は人それぞれ違うかもしれません。しかし、それらを得るためには、もう一歩前に出ることが必要です。現状維持は衰退の一歩。人も企業も挑戦してこそ維持し、成長します。その挑戦する姿勢もこの青年会議所から学びました。辛い時もたくさんあります。事業構築を何度もやり直し、終わりが見えない苦しさもあります。ただ決して投げ出さない。ここで逃げてはいけない。私たちは限られた時間の中だからこそ全力で地域のために活動し、より大きなインパクトと継続性を共に創ろう。
 家庭、仕事、忙しい日々。それでも、青年会議所を楽しもう。

 

基本方針および重点目標

一、 楽しみ繋ぐ例会及び事業
一、新たな可能性への挑戦
一、 継続事業への取り組み
一、青少年の体験事業
一、組織での会員拡大10名